お盆は7月または8月の期間(13日~16日)に先祖をご自宅に迎え供養をする風習です。お盆を行うにしてもどのように準備して、何を用意したらいいかわからない方も多いのではないでしょうか。
今は精霊棚や送り火・迎え火といったものを省略して行う家庭も増えてきました。それでも作法に則り、きちんと先祖を迎えたいという方のために精霊棚の準備について解説していきます。
お盆の流れ(地域によって異なりますので、あくまで一例です)
13日(お盆入り)
- 盆棚に位牌、香炉、ロウソク、リン、などを移しましょう。お花、御霊膳、キュウリの馬、ナスの牛なども供えます。提灯や線香の準備なども忘れずにします。
- お墓参りをし、線香をつけ、その火を提灯に移して自宅へ戻ります。(お墓で火をつけることが難しい場合はご自宅で火をつけます)
- 暗くなった頃に、ご自宅の玄関や門またはお墓で迎え火を焚きます。火を焚くことで、ご先祖が帰ってくるための目印となります。
14日~15日(中日)
お坊さんが自宅に招いて供養をします。通常のお経の場合は30分前後のお経時間となりますが、お盆の場合は10分前後、新盆の場合は15分前後が目安となります。
16日(送り)
午前中にお供えをし、手を合わせて拝みます。暗くなった頃に、ご自宅の玄関や門またはお墓で送り火を焚きます。戻ってきてくれた感謝と「また来年も」という気持ちで行いましょう。
精霊棚(盆棚)の飾り方
精霊棚(盆棚)とは、お盆の時期に先祖を迎えるための棚のことです。実際にどのように飾ったら良いのでしょうか。
お盆用の正式な2段か3段の祭壇を用意するか、スペースがない場合や経机や小机でも構いません。適当な大きさのものがあればどんなものでも構いませんが、仏壇の前に設置します。
精霊棚盆棚の四隅に青竹を立てて、その上に縄を張り結界に見立てます。縄に、ほおずき、そうめんなどを吊します。スペースに余裕がない場合や用意が難しい場合は省略されても問題はありません。さらに棚の両脇に盆提灯を置きます。
提灯
先祖が帰って来るための目印として明かりを灯しておくものです。吊るすタイプや置くタイプ、柄がついていたり回るものなど様々な種類があります。また、初めて帰って来るとされる新盆に限り無地の白い提灯と決まっており、玄関や軒先に置くと良いとされています。
ほおずき
提灯と同じく先祖へ向けた目印として飾ります。オレンジの色と形から提灯に見立てたことが始まりと言われています。
そうめん
縁起が良いものとされており、細く長く幸せが続くようにとの思いが込められています。また、ご先祖が帰る際に荷物を結ぶために使うものという説もあります。
さて、棚の周りの準備が整ったら棚に上にも様々な供物を置いていきます。
精霊棚(盆棚)の上にまこも(ゴザになっているもの)を敷き、中央に位牌を安置します。その他に置くものとして、ご霊膳、仏具、仏花、水の子、ミソハギの花、夏の野菜や果物、精霊馬などがあります。
水の子
お米、キュウリ、茄子を賽の目に刻んで混ぜたお供え物です。帰ってきたご先祖様をおもてなしするためと、煩悩を祓うためともいわれます。
ミソハギの花
ミソハギは「盆花」「精霊花」とも言われ、この時期に開花します。ミソハギは漢字で「禊萩」と書くことから、「禊」=悪いものを払い落とすという意味が込められているそうです。
夏の野菜や果物
旬な食べ物を疲れて帰ってきたご先祖にたくさん食べてもらいとの想いが込められています。生前に好きだったものわかれば用意してあげましょう。
精霊馬
キュウリと茄子を使って作る馬と牛の人形のことです。これは先祖が行き来するための乗り物とされています。キュウリの馬に乗って一刻も早く帰ってきてもらいたい、帰りはゆっくりと時間をかけてこの世を楽しんで帰ってもらいたいとの願いが込められています。
お盆飾りの処分のはどうすればいいの?
お盆飾りを処分する場合は16日か17日にするのがよいと言われています。
飾り物については入魂されているものではないため、行政に従った通常の処分方法で問題ないでしょう。
以前は送り火に入れて燃やしたり、川に流して処分する方法がありましたが、廃棄規制によって行うことは難しくなったようです。また、生ものは早めに処分したほうが良いですが、提灯や竹、縄などは来年も使用するため保管しておきます。
尚、新盆に限り白い提灯は一度しか使いませんので、こちらについては処分していただいて構いません。
お盆のご依頼はお早めに
お盆の時期はお坊さんが1年で1番忙しい時期とも言われています。予定も埋まりやすいため、ご自宅にお坊さん呼んで供養をしたい方はお早めのご連絡をお勧めしております。
お盆合同供養祭開催
おぼうさんどっとこむでは毎年「お盆合同供養祭」を開催しています。ご先祖に想いを向ける時間を一緒に過ごしませんか?当社代表 林による供養とお盆にまつわるお話しを添えさせていただきます。
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お盆の準備は大変?
お盆を正式な方法で行おうとすると様々な準備をしなければならず大変・・・と思うかもしれません。今はホームセンターや仏具店に行けば「お盆セット」のようなものもあるため、まとめて用意することも手軽になっています。また、全て用意しようと思うと時間がない、手が回らないといったこともあるでしょう。簡易的なものだけ準備し、精霊馬だけは自分で作る、ほおずきを飾るなど、できる限りのことをすれば問題ありません。さらに言えばお盆の用意をわざわざせずに、普段のままで供養をするご家庭も増えてきました。供養はお気持ちでするものですから、細かい風習にこだわらずに手を合わせることを大事にしていただくことが一番かと思います。
お盆の日取りについて